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Day2 人が妊娠しにくいこと、その理由

出典:ラジオ「ドクターアドバイスで今日も元気!!」
今週のテーマ:「どうしてヒトは妊娠しにくいの?卵子凍結は必要なの?」

 

Day2 Teusday

人が妊娠しにくいこと、その理由

Q1:「ヒトは妊娠しにくい動物である」ということですが、もう一度、どういうことなのか教えてください。

それは、1回の排卵周期で妊娠する確率が非常に低いということです。

マウスやウサギでは1回の排卵周期で性交渉があった場合に妊娠成立する割合は 95%と、ほぼ確実に妊娠成立します。

また、チンパンジーやヒヒなどの霊長類でも70−80%と非常に高率なのに対し、ヒトが1回の性周期で適切に性交渉があった場合に妊娠成立する割合は 20% と極端に低いことが知られています。

 

Q2:ヒトがそのように妊娠成立する可能性が低いことは驚きですが、なぜそのようなことがおきるのでしょうか?

詳細はまだまだわからないことも多いのですが、原因の一つとして、人の胚(受精卵)の発生の過程では、染色体の分配エラーが発生しやすく、細胞内の染色体の本数の異常である染色体異数性というものが起こりやすいためです。

 

Q3:染色体異数性という難しい言葉が出てきましたが、詳しく教えてください。

生物学的な話になりますが、染色体とは細胞核内にあり遺伝情報であるDNAを内部に格納している構造体になります。人では、染色体は46本あり、それぞれが父方由来が1本、母方由来が1本の2本で1対となる22種類の常染色体が22対で44本、また1対の性染色体2本の合計46本となります。

染色体異数性の異数とは異なる数と書きます。つまり、一部の染色体が多かったり少なかったりして、染色体の本数が通常と異なることを意味します。

胚に染色体異数性があると、ほとんどの場合、胚は途中で発育が停止します。

それが、子宮に着床する前に起きる場合には妊娠成立しないということになり、子宮に着床してから発育停止する場合には、生化学妊娠や流産にいたる原因となります。

 

Q4:この染色体異数性、どうして起きるものなのでしょうか?

大きな理由として染色体の不分離というものがあります

染色体不分離とは、文字通り、染色体がうまく別れないことを言います。

その理解のためには、精子や卵子が作られる際の減数分裂というものを思い出してください

減数分裂の際には、私たちの細胞がもつ46本の染色体をちょうど半分の23本ずつに分けて精子や卵子に遺伝情報を送り出します。

この減数分裂の際に、うまく半分ずつに染色体を分けることができなくてどれかの染色体が多かったり少なかったりと均等に分けることができないことを不分離と言います。

この不分離が起きた場合、出来上がった卵子や精子には染色体の過不足が発生していて、それが受精卵の作成に使われる場合に出来上がった胚(受精卵)にも、染色体の過不足が発生します。

染色体の過不足が発生する原因には、同じ過程で生じる染色体の早期分離というものもあります。

それらの結果、胚に染色体の異数性が発生します。

 

精子や卵子が作られる減数分裂の際に起きる出来事がきっかけで、受精卵である胚の中の染色体の本数に過不足が生じること。その染色体の過不足が、受精卵である胚の初期の発育のトラブルの原因となるということでした。
では、その問題がどうして起きやすくなったりするのか、また、どうしたら回避できるのか、その辺の話を次回以降でより詳しく伺います

2025年1月9日

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